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世界一キライなあなたにのkokottoのレビュー・感想・評価

世界一キライなあなたに(2015年製作の映画)
4.0
6年働いたウェイトレスをクビになったルイーザは、お金の為になんでも仕事をと富豪のトレイラー家で介護の仕事に就く。
介護の相手はその家の息子ウィル。彼は事故により脊髄を損傷し首から下が不随の状態になっていた。
人生に絶望しルイーザに対しても冷たく嫌味ばかり言い放つが、彼女はあくまでもお金の為、家族の為に仕事を続ける。
いつも明るく健気で個性的なファッションの彼女にウィルの心も溶けていき、ある事がきっかけで打ち解ける。
時折体調を崩しながらも穏やかな日々を過ごしていたかのように思えたが、彼の胸の内にはある固い決心があった……

偏屈な障害者と介護者のタッグで「最強のふたり」を彷彿とさせたがテーマは違う所にあった。
こういった団体がスウェーデンにあるというのは初めて知った。自分的には認め難いし何が正しいなんて無いけど実際にああいう身になった人間でないと分からない気持ちがあるのだろう。
ウィルが旅先で言った「こうなる前の自分の人生は最高だった」というのも本心だろうし、クラシックコンサートの後、車の中で「もう少し赤いドレスを着た女の子を連れた男で居させてくれ」といった所に彼が大事にしている物が見えた気がした。
最後の最後まで奇跡は起きないかと祈ったがそう簡単にはいかないのが現実でそこが良かった。

主演のエミリア・クラークは表情豊かで、変顔と言うくらい顔をクシャクシャにして(特におデコ)最初はうわぁ…となったが彼女の明るさやふとした表情が凄く魅力的で綺麗な時もあり不思議な女優でした。あの変なファッションも彼女だから似合うのだろう。
ウィル役のサム・クラフリンは髪ボサボサの髭ボーボーでもイケメンなのはさすが。

◆2020年 77本目
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