円柱野郎

クリムゾン・ピークの円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

クリムゾン・ピーク(2015年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ギレルモ・デル・トロが描く幽霊話ときたらホラーかな?などと勝手な想像をしていたが、観てみたらゴシック・ロマンスというジャンルへのオマージュ映画だった。
なので怖さを追求した作品ではなく、どちらかというと見せたいのは古い屋敷と幽霊というゴシックな雰囲気への愛だろう。
実際に屋敷を丸ごと立てたというデザインへのこだわりは、実にデル・トロ監督らしいさすがの一言だが、主人公が幽霊を見られることがカギとなり残された蓄音機とその録音から真相を知ることになる段取りには、若干の安っぽさも感じる。
何というか、表面的というか、意味深な見せ方をしているものでも掘り下げが深くない感じ?

でもこの映画のオープニングで本が開き、エンディングで本が閉じられて著者の名が分かる仕掛けになっているとおり、これ自体は主人公が書き上げたゴシック・ロマンス小説だという構造だよね。
なので、多少の力技での展開、意味深な幽霊のご都合感も、彼女の描いた小説だと思えば…何となく納得してしまった。
まあメアリー・シェリーに憧れている割には「フランケンシュタイン」の悲哀には程遠い話だけど、自分を愛した二人の男と悲劇の主人公・私のお話と、そこへ何となくのホラー風味のエッセンス。
幽霊モノを書きたいという希望通りの内容が書けたということなのだから、主人公にとっては良いんじゃないかな。