キッチー

クリムゾン・ピークのキッチーのレビュー・感想・評価

クリムゾン・ピーク(2015年製作の映画)
3.8
ギレルモ・デル・トロ監督のサイコーに芸術的なゴシックロマンス。グリムゾン(深紅)の土の色が美しくも不気味です。

1900年代初頭、ニューヨーク州のバッファローに住む作家志望の少女イーディス(ミア・ワシコウスカ)。彼女は幼い時に無くした母親の幽霊を見てから、幽霊を度々見るようになり、幽霊を題材にした小説を書くようになるのですが、実業家の父親に投資してもらおうと家に訪ねてきたトーマス・シャープ(トム・ヒドルストン)と恋に落ちます。

彼女は父親の謎の死の後、トーマスと結婚し、イギリスのカンバーランドにあるアラデールホールの屋敷でトーマス、彼の姉ルシール(ジェシカ・チャスティン)と一緒に生活することになります。そしてイーディスは屋敷に潜む幽霊たちと接するうちに、この屋敷の秘密を知ることになり...

前半の明るい映像から、後半の暗い映像になっていくところ、雰囲気変わりますね。
イーディスとルシールが蝶と蛾のように描かれているのも怖さを増幅させます。暖色系の衣装のイーディスに寒色系のルシール、対照的でした。芸術的な拘りは幽霊の色や、屋敷のいたるところにも見られます。

髪をアップにして眼鏡のミアはなかなか知的で大人びた感じでしたが、髪を下ろしてからはアリスでしたね。
トムヒは優しいイケメンで格好良かったですが、終盤の無言のシーンは切なさも感じられ、良かったです。ジェシカ・チャンスティンのこういう役(不気味で嫉妬に狂う女性)は見たことなく新鮮でした。見方を変えると貧しく美しい姉弟の悲しい話でもあるんですね。怖いけど...
あと、チャーリー・ハナムは初見でしたが、ちょっとカッコ良かったです。『パシフィック・リム』も観たくなりました。



しかし、2階から落ちたミアが元気だったのと、スコップの使い方が上手かったのは、意外でしたね...(笑)
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