洋館って怖い。
でも、どうして怖いのか?
…答えはこの映画の中に。
ギレルモ・デル・トロ監督作。幽霊の見える女性が主人公。ぼくはかなり気に入りました。
この映画の素晴らしいところは、ダークファンタジーの要素が前面に出つつも、同時進行でサスペンス的な人間ドラマが進行していて重厚な物語になっているところ。ただ怖がらせるだけでなくて、先の展開から目が離せないようになっています。
洋館の色彩や造りがお見事の一言。油絵で描かれたようなコントラストのはっきりした映像が本当に見応えがあります。
床の軋み、水道が管を流れる様子、ベッドシーツやソファの絶妙な黄ばみ具合。
そして不気味な絵画、埃、虫の死体…。細かな部分ひとつひとつが、洋館の歴史の長さと不気味な雰囲気を醸し出しています。
そして幽霊のデザイン!!そうです、洋館には幽霊がいるのです!ギレルモ監督はクリーチャーをがっつり見せてくれるから嬉しいです。怖がらせるためだけではなくて、幽霊も世界観の一部。自信たっぷりに見せてくれるのが本当に気持ちいいです。
終わり方も好きですねー。切なくて。エンドロールもなかなかに神がかった映像です。
新作のスケアリー・ストーリーズも楽しみです。