Tomo

クリムゾン・ピークのTomoのレビュー・感想・評価

クリムゾン・ピーク(2015年製作の映画)
3.5
まず、この映画で最大にずるいと思ったのは、冒頭でのイーディスの傷ついた顔と、霊は存在するとの語り口。これで霊に取り憑かれた第三者と対峙するストーリーだと思い込んで鑑賞してました。

でも、違うんですよね。ストーリー的にはイーディスが受けるであろう莫大な遺産を狙って、トーマス、ルシール兄弟がイーディスを殺して遺産を奪おうとする(ちょい説明が足らないが....)その場所がクリムゾンピーク(赤粘土が染み出る場所)って感じ。
そこに、母の霊、兄弟が殺した母の霊、死んだトーマスの霊がイーディスを指南することになるんでしょう。

この映画、素晴らしいのは古城の雰囲気。既にボロボロで寂れた感じをだしながら、気品があり、あちこちにメタファーが感じとれます。

あと、これラブストーリーでしょう。しかも近親相姦を含んだ三角関係。ホラー感は霊の表現と、姉ルシールの行動、ラストの対決シーンなのでしょうか。

この映画の霊は、イーディスを救う母なる霊です。エクソシストやオーメンなど宗教的悪魔の霊や、死霊と比べると、善良的死霊でしょう。日本映画だと死んだ主人公が妻子や恋人を見守る霊として感動的になるのと一緒だと思いました。
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