りょうた

カリートの道のりょうたのレビュー・感想・評価

カリートの道(1993年製作の映画)
4.3
元麻薬王のカリートは出所して足を洗おうと決意し、元恋人ともよりを戻して夢の為にナイトクラブを経営して金を貯めていたが、やはり過去は断ち切れず様々なトラブルに巻き込まれていく。
更にマフィアのボスと息子を殺す手伝いをしたことで自らも命を狙われる羽目に陥ってしまう。
この致命的な事件を引き起こしたのが、カリートの出所に尽力してくれた弁護士というのが皮肉だ。仁義の世界で生きてきたカリートにとってはこの恩に報いるのは当然のことだったのだろう。
ショーン・ペンが演じるこの弁護士はコカイン中毒でボロボロになり、破滅への道を突き進んでいたが救い出してやることはカリートにもできなかった。
その上裏切られていたことを知り、唯一信じられる恋人のゲイルとの旅立ちもまたも仲間の裏切りによって断たれてしまう。
全編に漲るアル・パチーノのむせるような色気に圧倒される。最初はそうとわからなかったショーン・ペンの存在感もすごい。
そして何より切なすぎるラスト。これはマフィア映画でもバイオレンス映画でもなく、不器用にも一人の女を愛した男と、男との人生を夢見た女のラブストーリーだ。
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