こたつむり

カリートの道のこたつむりのレビュー・感想・評価

カリートの道(1993年製作の映画)
4.2
久々に傑作を鑑賞しましたので気分が良いです。うほっ。

さて。
本作でありますが。
流砂に呑込まれないように。
一生懸命両手でもがき続けて。
だけれども、決して矜持は忘れない。
そんな格好良い主人公の映画です。

ちなみに。
映画にはそれぞれ鑑賞適齢期というものがあると思うのです。本作ならばたぶん40代がストライクゾーン。何かに追われているようで。だけど、逃げたくても逃げることが出来ない。それでも、ふと立ち止まって足元を見つめ直してしまう。そんな年齢。

個人的にはこの年齢になってから観たことが幸運だと思いました。劇場公開時は、まだまだ若造ッ。「やっぱり愛だよね」なんて能書き垂れていた洟垂れ坊主ッ。でありましたからね…なんて。今でも未熟者ではありますが。偉そうなことは何一つ言えませぬ身ですが。ふがふが。

さてさて。
本作はブライアン・デ・パルマ監督作品でありますが、やはり監督との相性は重要ですな。僕はパルマ派であり、スコセッシ派ではないことが本作でよ~く解りました。監督の作品を全て観たわけではないので断言は出来ませんが、ロマンティストな部分がとても相性が良いです。

ただのラブシーンなのに。
ただの男女の絡み合いなのに。
胸が焦がれて。
切なくなって。
いやはや。この歳になっても、そんなことを思うなんて驚きであります。遠い花火ではないのですね。

そして。そんな監督が撮影した作品ですから。出てくるキャラクタが全て輝いています。活きています。まさしく、名作と呼ばれて相応しい作品であります。未鑑賞の方には全力でお奨めできると思います。

それにしても、カリート役のアル・パチーノが格好良くて。そして、カワイイです。うほっ。
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