リリー

カリートの道のリリーのレビュー・感想・評価

カリートの道(1993年製作の映画)
3.5
ブライアン・デ・パルマ監督作品で、アル・パチーノ主演ですからやはり面白いです。アル・パチーノが穏やかな生活を夢見る温かみのある元ワルのカリートを演じていて、それはそれはかっこいいです。ショーン・ペンが、初めは気弱な弁護士だったのに徐々にコカイン漬けになって、命の危険への恐怖から判断力を失っていく様はさすがの演技でした。ヴィゴ・モーテンセンも弱々しいヤクザとして短く登場しました。
一度マフィアの世界で君臨すると、足を洗うのは難しい。カリートが出所すると、義理と人情はすでになく、殺しと裏切りが日常茶飯事に起きて、誰も信用出来ないような世界になっていました。その時に再会したゲイルは天使のようです。
ゲイルと逃亡しようと計画した列車に行き着くまでのシーンは見応えがあります。電車内でマフィアから逃げる緊迫したシーン、駅のエスカレーターでの激しい撃ち合い、最後に美しいバハマの夕陽、と手に汗握るシーンから一気に切なく穏やかなシーンへと移行するのが、カリートの心情をうまく表しています。
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