さとうの人

ゴンドラのさとうの人のレビュー・感想・評価

ゴンドラ(1987年製作の映画)
4.7
少女と青年による心のロードムービー
デジタルリマスター版で鑑賞。35mmの美しさをより一層引き立てていて好き。

最初のシーンから圧倒。高層ビルのてっぺんから降りる窓拭き用のゴンドラ、窓を拭く青年。音のない窓の中、上から覗いてミニチュアみたいな車たち。
美しいとは言えないけど、汚いなんてとんでもない。映画的っちゃ映画的だけどどこかリアリズムも漂う雰囲気が冒頭からラストまで滲み出ている。

少女かがりの挑発敵で無気力な目が好き。登場人物全員不器用ってところも好き。

音は(監督曰く)予算が足りなくてオールアフレコ。でもゼロから自分たちで音を作れるからこそ、音に遊びがある。 かがりを馬鹿にする女の子のガムの咀しゃく音とか

画も音も人物もストーリーも、監督の全てが詰まっている。生命力。とんでもねえ
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