てくのすけ

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN END OF THE WORLDのてくのすけのレビュー・感想・評価

3.0
あれ?ちょっと待って、結構楽しかったんだけど…?酷評の嵐でハードルが地面スレスレまで下がってたとは言え。いや正確には「酷すぎて笑ってるうちに楽しくなった」だ。歪んだ楽しみ方ではあるんだろうけど。

シキシマが最高に面白い。芝居がかった台詞回しとジョジョ並みのポージングに笑いをこらえるのに必死。グラスとワイン持って近づいていく姿はエレンを口説き落とす気満々だし、言ってることがコロコロ変わるコウモリっぷりとか、もう面白くて。司令官の國村隼には爆笑したし、ハンジの悪魔的なまでの無邪気さにも笑った。ハンジはあれ狂気でも何でもなくて、好きなものにしか興味がないただの正直者のバカなんだな。

数多い不満の中でも最も大きいのは、前編が世界は残酷と知って覚醒したエレンの物語だったのに、後編のエレンは目の前のことに振り回されて何も成長せず終わってしまうこと。かろうじてあった一貫性がなくなり一体何が言いたかったのか分からなくなる。

壁の内側の支配層と壁を壊そうとするアナーキーの戦いなのは分かるけど、各キャラに背負わせてたものが浮いちゃったなあ。エレンもミカサもそうなので最後にその二人が見た景色に何の感慨も沸かず。シキシマだけが整合性無視で飛び回って最後まで笑わせて去っていった感じ。
てくのすけ

てくのすけ