ダイヤモンド

ブルー・リベンジのダイヤモンドのレビュー・感想・評価

ブルー・リベンジ(2013年製作の映画)
2.5
過去に両親を殺されたのち、ホームレス化してしまった男が復讐を企てるも、生来の気弱さから恐れや怯え、逡巡など、不恰好に苦悩する姿が描かれる(結局目的を果たすも、それらを克服してというヒーローのそれとは程遠い)。

”BLUE RUIN"_。

この原題「青い破滅」は、ドワイトが復讐を遂げるための車。古ぼけた青いその車が対向車一台も来ない田舎道や森の一本道を走るその俯瞰には怨讐のようなものよりも、どこか惨めでもある彼の孤独感を表している。

ところで主人公ドワイト役のメーコン・ブレア。初めのうちこそ長年の荒んだ生活から来る風貌は犯罪者然としているものの、いざ髭を剃り、長髪を切って小ざっぱりすると、突然普通の、それも気弱な男に。虫の一匹さえ殺せないような...。
その姿に、復讐鬼と化すポール・カージー(『狼よさらば』)のような冷徹さは望むべくもない、むしろ面相は”ヤメタランス”(帰ってきたウルトラマンの怪獣)。