リトル

オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分のリトルのレビュー・感想・評価

3.9
わたしは子供の頃から夜の高速道路が好きだった。
高速道路に乗るのはだいたい夏休みで、楽しかった記憶と共にいつもの日常が待つ家まで帰る。親が運転する安心感の中、ああ、楽しかったなあ。と感慨深い気持ちになり、いつまでもこのままがいいな。と、後部座席から走る自動車の明かりやハイウェイのオレンジのライト、遠くで光る街の明かりを見て、その光景ごと含めて思い出に浸っていた。
それは悲しい気持ちではなく、心地よくてむしろその瞬間を楽しむための思い出だったかもしれないと思うほど、夜に高速道路を走ることが好きだった。
この映画の高速道路の幻想的なライティングはお見事としかいいようがなく、いつまでも見ていたい。まさに子供のときに高速道路に乗っている時の気持ちになった。

ワンシチュエーション映画としてもかなり面白い設定です。運転して電話してるだけなのに、人生の分岐点に立って変わろうとしている男の内面をここまで出せるとは。
逃げない男、トムハーディ。さすがですね、いやあ、おもしろかったです。
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