こけとーこ

ロスト・エモーションのこけとーこのレビュー・感想・評価

ロスト・エモーション(2015年製作の映画)
4.0
架空の近未来、遺伝子操作で感情を持たないとされる人間達が暮らす共同体を舞台に、病気を発症=感情が芽生え始めた2人が恋に落ちるラブストーリー。ドレイク・ドレマス監督版ロミオとジュリエット風恋物語な印象で個人的にはすんごく気に入った。この映画SUKI。

2人の些細な変化を見逃すまいと距離を詰めた撮り方をしているからか役との目線が近くて、静かな世界で目覚めてゆく喜びや不安、希望や絶望など穏やかに広がる様々な感情の波に飲みこまれていくのが、とても気持ちよかった。

恋という感情を認めて、欲求に突き動かされ初めてお互いに触れ合う2人から目覚めたての本能に身を焦がすような生々しさがあり、とてもエモーショナルで好きな場面。

感情の起伏がなく平坦な心情で生活する日常は平和そのものだけど果たしてそれは生きているのか。相手を慈しみ深く傷つき微笑み泣き叫んでこそ生きているのでは?みたいな問いかけを受信しつつ、ただ感情を超えていく存在が唯一あるとしたら、それは恋ではなく愛なのかなと思った。

顔のアップのショットが多いから他作品以上に目に止まるのがクリステンもだけどホルトくんの美肌っぷり。神々しさすらある肌質に、ひれ伏したい。シングルマンといい勝負で美麗ショット盛りだくさんで、額縁に収めて飾りたいニコラス・ホルト満載。

私の中ではトム・フォード先生に並んだわ勝手にデレク・シアンフランス監督みも覚えたわ、そういえば「今日、キミに会えたら」も好きだったなと思い出しドレイク・ドレマス監督SUKI!となった1本でした。