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ロスト・エモーションのkenのレビュー・感想・評価

ロスト・エモーション(2015年製作の映画)
3.4
ストーリーが始まって早々に気づいたのは、The Giverという作品に似ていることだ。人々は感情を抑制され監視・管理された共同体で生活している。指定服を着用して仕事、食事、睡眠を繰り返すだけで実に無味乾燥である。

世界戦争で99.6%の陸地が破壊された結果、生き残った者達は感情が平和を損ねる原因と考え、遺伝子操作により感情を消した人間のコミュニティーをつくった。そして、愛情や欲望が芽生えると病気の発症とされ、強制的に隔離して安楽死させられる。現実的には到底考えられない設定であり、我々は自由に感情を表現でき意見もできる社会に生きていることを有難く感じた。

サイラス(ニコラス・ホルト)とニア(クリステン・スチュアート)は共に発症者でお互いに惹かれ純粋に愛し合うようになる。味方となる人達の助けを得て、最後は外の世界へ2人で逃げる選択をしたが、隔離された共同体の外はどうなっているのか不明のままで終わる。しかし、感情を抑圧されたり押し殺す必要もない本来の人間社会へと戻ることができたであろうことは想像に難くない。

途中から先が予測できてしまい、個人的には盛り上がりに欠けた感がある。
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