DZ015

ロスト・エモーションのDZ015のレビュー・感想・評価

ロスト・エモーション(2015年製作の映画)
4.6
(大物監督)製作総指揮なんて謳ってる作品はほとんどが駄作なんですけれども(暴言)、リドリー・スコット製作総指揮のこれはとんでもない傑作だった。陸地のほとんどが破壊された近未来世界で暮らす遺伝子操作により「感情」を排除された共同体「イコールズ」。「感情」は病であり発症すると薬でそれを抑え、症状が進行すると安楽死させられる世界。同じ部署で働くサイラスとニアに恋愛感情が「発症」し、、、、。

淡々と進む物語、その世界観を更に強固なものにするのが素晴らしいロケーションで、個人的に尊敬してやまない世界的建築家、安藤忠雄の建築物という俺得。ほぼ日本で撮影されたとのこと。

ある種の「切なさ」と現代社会に対する「皮肉」が封じ込められてこそSFと思う自分のツボに刺さりすぎの一作。色調で感情表現する等繊細できめ細やかな演出も素晴らしく、余韻も強烈。静かなSFを好む方はマスト。こんな安っぽい邦題にせず原題の「Equals」のままがよかった。

蛇足ですが正直「パーソナル・ショッパー」でその魅力に取り憑かれたクリステン・スチュワートがもっと観たいという軽い理由で手を伸ばした一作ですが、こういうことがあるから映画はやめられないのです。
DZ015

DZ015