sai

ロスト・エモーションのsaiのレビュー・感想・評価

ロスト・エモーション(2015年製作の映画)
3.6
狭い環境の中のみ描かれるSFの世界だが、安藤忠雄の建築を生かしきった光の使い方、カットが非常に美しく、一つの芸術のようにも観れる作品。無垢で純粋な人間に感情が生まれていくのを演じた主演二人も見どころ。

個人的な話、とてもリドリー・スコット監督っぽいというか、漠然とみればなんとなくブレード・ランナーっぽさのある映画。
現実にある建築物なのに、それを未来っぽく見せられるのは凄い…あ、でもそういう意味なら安藤忠雄建築が未来的なのかも知れない。
ニコラスとクリステンは、無垢さを演出するのに最適なキャストだったなーと感じるシーンが多く、今回の世界観にぴったりだと思った。クリステンファンとして、観てよかった。

ただ惜しいのは、終盤がそれまでの盛り上がり方にうまく乗っかれておらず、なんかあっさり感が拭えないところかな。。人物の感情表現に重きをおいてるなら、なんかもっと感情に訴えかけるラストでもよかった気がする。そこらへんはSFのご愛嬌なのか。
とはいえ愛という感情そのものを知るにはよい作品かも。
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