エクストリームマン

ザ・マミー/呪われた砂漠の王女のエクストリームマンのレビュー・感想・評価

3.7
Welcome to a new world of gods and monsters.

5000年前のエジプトって砂漠じゃなくね?みたいな、そういうこと言うやつは出ていってくれって感じで、エンタメに徹してる。アレは心象だから砂漠でいいの!ってこともあるのかな。

全体的にライド感とテンポ重視したような作りになっていて、そのためかドラマが深く刺さったりすることもなかったかなぁ。だからといって、薄っぺらかといえばそんなこと全然なくて、トム・クルーズのキャラクターもこれまで演じてきたものと似ているようで違うし、相棒のクリス(ジェイク・ジョンソン)最高だし、ヒロインのジェニー(アナベル・ウォーリス)もいいし、ラッセル・クロウはラッセル・クロウだしで、楽しめるところは沢山あった。

ただ、肝心のソフィア・ブテラ(『キングスマン』のガゼル)演じるミイラの女王=アマネットのキャラがなんか弱かったかな。造形的に惹かれるところもないし。飛行機の墜落現場から復活してしばらくはよかったけど、クルセイダーの廟に向かうシークエンスと、たどり着いてからの一連のやりとりはあまり冴えない。追われてるニック(トム・クルーズ)とジェニーがダッシュして逃げる一連のシークエンスは面白かったけど。あと、水中でアマネットに攫われたジェニーを追いつつミイラに追われるシークエンスの息苦しくなるような切迫感とかもよかった。そう考えると、シーン毎はどれも面白いけど、それらが主役となるべきモンスター=アマネットを欠いていても成立してしまっていることが問題なのかな。トム・クルーズとアナベル・ウォーリス(とジェイク・ジョンソン)がいれば、それでいいって思えてしまうし。

バイオレンスとかギャグとかは、意図的にMCUより大人向け?な路線を意識しているような。そして、なっち字幕は相変わらず古臭い言い回しでノイズになってたけど、やりとりの軽妙さはクリストファー・マッカリー節入ってる気がする。

本作を1作目として展開されるダークユニバースって、メンバー的に『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』の二番煎じみたいになりそうだよね。まぁ、その映画化であるショーン・コネリーを引退に追い込んだ(風評被害)『リーグ・オブ・レジェンド』よりは俄然面白いし、ハビエル・バルデムの『フランケンシュタインの花嫁』は期待しているけど。監督がエマ・ワトソンの『美女と野獣』のビル・コンドンなのが不安。シガーみたいなフランケンシュタインが屠殺銃で無双してるとこ観たい。