風来坊

ザ・マミー/呪われた砂漠の王女の風来坊のレビュー・感想・評価

4.0
当初は古典の怪物映画を次々とリブートしてそれぞれリンクさせる構想だった"ダークユニバース"プロジェクト。1932年の古典怪物映画「ミイラ再生」をリブートした本作が華々しいスタートを飾る筈が興行的に奮わず1作目でプロジェクトを頓挫させた曰く付きの映画。

ただ実際に観てみると、そんなに酷評される酷くはないと思います。ただ、当初は他作品にもリンクさせる予定だったから、その部分の説明や後の布石のための時間がテンポを悪くしていて全体の状況を掴み難くしているのは確かに感じました。

同じく「ミイラ再生」を先にリブートした「ハムナプトラ」にあったような冒険感はありません。何時ものトム・クルーズのアクション作という皮肉も分かる気がする。私はそれで良いと思いますが(^_^;)

主人公の軽薄設定は余計で緊迫感を薄くする要因。更にはあの軽薄さでは終盤のあの展開は説得力がありません。雰囲気自体も軽くてあまり危機を感じないし緩急のバランスがよくない。「ハムナプトラ」も主人公を含め軽いノリでしたが、あちらは緩急のバランスが絶妙でした。

博士パートはやはり余計な気がする…。ファミリー層向けなのかあまり血の匂いはせず、安定感というか安心して観れてしまいハラハラ感が薄いのは評価が分かれるところですね。

アクションシーンは飛行機で無重力状態など面白い物が多く観ていて楽しい。鳥の大群とかCGと分かっていてもゾワッっとします。ミイラも怖い…おどろおどろしい感じは良く出ていました。

ミイラとの追いかけっこも面白かった。ミイラが一斉にこちらを見たりなど面白いコメディ演出も箸休め効果で肩の力を抜いて観れます。大作映画だけにVFX等の映像演出は凝っていて迫力があります。

「ミイラ再生」のリブートとしてはやはりハムナプトラに軍配があがってしまいますが、アドベンチャー大作としては充分な出来でファミリーで観れる単純な娯楽映画に仕上がっていて楽しめました。
風来坊

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