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おんなのこきらいのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

おんなのこきらい(2014年製作の映画)
4.0
かわいことだけが取り柄のOLキリコ(森川葵)は、かわいい食べ物を過剰摂取しては吐く過食症である。
職場の男たちにはちやほやされ、女の子には嫌われているが、女の子の価値はかわいいことがすべてと信じている彼女に怖いものはない。
そんなキリコは、バーで働くユウト(谷啓吾)のことが好きだったが、友達以上、恋人未満の煮え切らない関係が続いていた。
ある日、キリコは仕事で、アクセサリー作家の幸太(木口健太)と出会う。
キリコはいつも通り、媚を売って仕事を得ようとするが、幸太には彼女の魂胆がお見通しだった。最初は険悪だった2人は、次第に本音をさらけ出せる友達になっていく。
ユウトの働くバーに、新しくバイトのさやか(井上早紀)がやって来る。キリコはさやかのことが気に入らず、ユウトともぎこちない空気が流れ始める。
そんなとき、バーで働いていたケンジ(松澤匠)から、「さやかがユウトさんと付き合っていると言っている」と聞かされ、キリコは自尊心を傷つけられる。そんなとき、彼女の元に駆けつけてくれたのは幸太だった。
幸太の飾らない優しさに触れ、キリコは自分を取り戻していく。今度こそ、本当の幸せをつかみに行こうとするキリコだったが……。
「女の子は可愛いことがすべて」と信じる主人公キリコが、「可愛いだけじゃ駄目だ」と気付くまでの物語。
ぶりっ子する女の子は同性からも男性からも嫌われるけど、女の子も男性もなるべくなら可愛い方が良いと思っている。可愛いことで通じる部分もあるけど、人間としての中身何が好きで何が嫌いかどう生きたいのかの本音が見えないと信じることが出来ないし付き合うことが出来ない。
友達以上恋人未満なユウトをユウトのアルバイト先のアルバイトの女の子さやかに横取りされたり、自分の媚びや可愛いげが通じない幸太と交流することで、キリコは可愛いだけじゃ愛されないことに気付いて自分の素を幸太に見せ飾らない魅力を出していく展開が、女の子の男には媚びたりするけど女の子の同僚には本音を見せたり裏表あるキリコや露骨に媚びないけど言い寄ってくる男を拒まないさやかなど女の子の可愛いの裏にある腹黒さやめんどくさい部分や可愛い女の子をとりあえず手を出す男のずるさやしょうもなさをリアルに描きつつ描かれるので、女の子はもちろん男にも共感出来るラブコメディ映画になっている。
前半の典型的なぶりっ子女子と後半のナチュラルキュートな女子とぼろぼろな拗らせてしまっている面までキリコを完璧に演じた森川葵の魅力と女子の気持ちをキュートに歌うふぇのたすの楽曲が、印象的。
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