みれい

おんなのこきらいのみれいのレビュー・感想・評価

おんなのこきらい(2014年製作の映画)
3.3
何年か前に予告編を見て、ずっと気になっていた映画。
主人公が可愛いから、私にはあんまり共感できない話なのかなと思ったけれど、意外にもとても共感できる内容だった。
容姿は関係なく、キリコの気持ちに共感できる女性は多いと思う。
コウタの俳優さんを最後まで溝端淳平だと思って観ていて、エンドロールでやっと違う人だと気が付いてビックリ。
前髪が長くて顔がよく見えなかったし、夜にスマホで画面を暗くして観ていたからかもしれないけれど、溝端淳平にしか見えなかった。

キリコはもっと嫌なキャラを想像していたけれど、不器用なだけで悪い人ではないのが分かって憎めなかった。
でももう少しイライラするキャラの方が面白かったかも。
むしろサヤカの方がイライラした。
あんなに絵に描いたような嫌な女もなかなかいない気がするけれど。
キリコに共感できることばかりで感情移入してしまい、だんだんと応援したくなっていった。
私はキリコと違って自分の容姿にも内面にも自信がなくて、可愛くなりたいと悩むことが多いので、あれだけ可愛くて、容姿に自信が持てるのは羨ましい。
可愛い子を見ると、可愛いってだけで楽しいんだろうなぁ、なんて妬んだりもしてしまう。
今色んなことと重なって、自分は可愛くないんだし死んでしまおうかと思うことさえある。
そのくらい私は可愛いことは価値のあることだと思っているんだろうな。

可愛いということはとても素敵なことだし、武器になると思うから、もちろん憧れる。
その分異性に好きになってもらえたり、優遇してもらえる機会も多いと思う。
それでも可愛いからといって、それだけで幸せなわけではいんだなぁと、少し勇気を貰えた気がした。
自分が可愛くなったとしても、世の中にはたくさん可愛い子がいるんだし、やっぱり可愛いとチヤホヤされるだけでは、私は幸せだとは思わないと思う。
そうは思ってもやっぱり可愛いと言われたいし、可愛いということは自信に繋がると思うから、可愛くなりたいとは思うんだけれど。
人間顔だけではないと分かっているけれど、私もキリコのように、可愛くいないと愛されないと思っているのかもしれないなと思った。
私もキリコと同じなのかもしれないな。
ありのままの自分を好きになりたい。

でもやっぱり、好きな人からの"かわいい"ほど嬉しいことはないよね。
キリコはユウトのことが好きだったのに、ユウトはキリコのことを都合のいい女としか思っていなさそうで、好きな人のセフレという立場は辛いんだろうなと思った。
でもショートにして吹っ切れてからのキリコの方がキラキラしていた。
吹っ切れるまでの気持ちの変化をもう少し観たかった気はしたけれど。

コウタもずるい。
私にも似たような経験があるので、公園で泣いているシーンでのキリコの言葉には痛いほど共感した。
簡単に好きとか可愛いとか言わないで欲しいよね。
コウタは自覚がなかったのかもしれないけれど、思わせぶりな態度をとられるのは辛い。
よくよく考えればキリコが勝手に期待してしまったんだけれど、あんなの期待して当たり前だよなぁ。

ふぇのたすの歌も世界観も、映画に合っていて可愛かった。
森川葵ちゃんが演技が上手でハマり役だし、なにより可愛い。
ロングの時もお人形さんみたいで可愛かったけれど、ショートもすごく可愛かった。
あの華奢さが羨ましい…。
あんな子にあざとく話しかけられたらメロメロになってしまうのも分かる。
キリコの服は可愛かったけれど、他の女性達の服装が絶妙にダサいのが少し気になってしまった(笑)

「おんなのこきらい」というタイトルだから、もっと女同士で揉める感じなのかと思っていたけれど、恋愛がメインだったように感じた。
自分のような女の子が嫌いってことだったのかなと、観終わってから思った。
容姿に関わらず、自信を持つということは素敵だと思った。
私もキリコのように好きになってくれる男の人に依存してしまうタイプだと思うので、人に依存することなく生きていけるようになりたい。
みれい

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