バナバナ

ジェイン・オースティン 秘められた恋のバナバナのレビュー・感想・評価

4.0
ジェイン・オースティンが本当にこんな行動をとったのかは分からないが、たぶんわざと『プライドと偏見』に重ねるように撮っています。

田舎で英知を持て余していたジェインの下に、自信過剰で高慢ちきで田舎をバカにしたような男、トム・ルフロイがやってきます。
やがてジェインは、出会いは最悪だったルフロイと相思相愛の恋に落ちますが、『プライドと偏見』と違うところは、このルフロイは伯父に援助してもらっている苦学生。
つまりダーシーとは違って貧乏人だったのです。

この作品は、当時のイギリスでは才能や能力があっても、財産の無い者同士の結婚がいかに厳しいものであったのかを、丁寧に見せています。
同時期にジェインに求婚してきたウィスリー。
彼は大金持ち(貴族?)の女相続人の甥で、将来財産を譲り受けることは確定済み。
しかも彼はダーシーの様に高慢ではなく、ジェインの良い部分をちゃんと認めていたし、
「僕はうぬぼれていた。財産ではなく自分が愛されたいなどと願うなんて」
と言ってしまう程、お金持ちなのにすごく謙虚な人なのだ。
私だったら、絶対こっちにするけどなー!

きっとジェインは、知的なキャッチボールが出来る頭の回転が早い男が好みで、無口なせいで無個性に見える人は、野暮ったくて好みじゃなかったんだろうな。
あーあ、だけどもったいないなー(ブツブツ…)。
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