みんと

ローマに消えた男のみんとのレビュー・感想・評価

ローマに消えた男(2013年製作の映画)
3.9
地味に面白かった。
コレはシニカル政治コメディとでも言ったら良いのかな…?
一見とっつきにくそうなんだけど、思いのほか吸引力が強い。なんとな~く想像出来る政治家の苦悩みたいなものが、重過ぎず軽過ぎず、絶妙なさじ加減で描かれていた。
フェリーニのくだりはお勉強不足ゆえ、要検索!だし、何様?な脚本家目線ではそもそもあの設定の必要性ある?…なんて正直思っちゃう節はあれど。

政治家要素一本でもっとサスペンスフルに広げられた気がしたし、個人的には下手に失速感なくスコアもアップしてた気さえする。(あくまでも個人的な見解)

何れにしても、好みの作風と練られた脚本と何より主要キャラに愛着が湧く。勿論主演トニ・セルヴィッロの怪演っぷりは素晴らしいし癖になる。重厚にもコメディにも一瞬で切り替わっちゃうお見事な演技力!

加えてヴァレリオ・マスタンドレアの飄々さ加減が良い。意外と好き!(『ザ・プレイス~』でも感じた何処か読めない感じが)

笑いはシニカル、台詞は詩的且つ知的で粋でもある。更には味わい深くて奥深い。個人的には掘り出し物の位置づけ作品だった。
みんと

みんと