Mii

ローマに消えた男のMiiのレビュー・感想・評価

ローマに消えた男(2013年製作の映画)
4.2
長くなりそうなのであらすじは置いといて。

双子が、お互いのフリをするというのはよくある話ですが、この作品にはそんな凡庸さはまったく感じませんでした。

エンリコ、ジョバンニそれぞれが、異なる精神疾患をかかえながらも、お互いに人との交わりのなかで傷を癒し、再生しようとする力にあふれる作品。

それぞれ置かれた場所がまた素晴らしい。エンリコは、自分が愛した女性のもとで(でもその女性はジョバンニを愛してた?)、ジョバンニは、若いころから関心の深かった政治の世界で(でも政治家になれたのはエンリコ)という具合。

ふたりが幾度か電話する場面が出てきますが、言葉を投げかけることはあっても、言葉を交わすこと、会話することは一度もないという徹底ぶりにも脱帽。脚本がすばらしいんでしょうね。

ジョバンニは最後の演説で、ブレヒトの詩を引用しますがそれがまた素晴らしい。

誰も理解せず 誰にも理解されずに
それとも自分の運を天に任せるのか?
そう君は自分に問う 君に必要なのは
誰の答えでもない
君自身の答えだ

うるっときちゃういい映画でした。