シネオ

ディーン、君がいた瞬間のシネオのレビュー・感想・評価

ディーン、君がいた瞬間(2015年製作の映画)
4.0
映画「理由なき反抗」を観た高校生から、ずっと憧れてたジェームズディーン。そのころ手に入れた、天才カメラマン「デニス・ストック」の写真集は、ページが擦り切れボロボロになるくらい眺めました。銀幕では見られないスターの素顔に、どれだけのため息をついたことでしょう。

この映画はそんな雑誌「LIFE」の写真家デニスが、無名の新人だったジミーを密着撮影した、2週間の物語。ジミーが自動車事故でこの世を去る、少し前です。野心を燃やしていた二人がだんだん共鳴しあい、時代を変える写真が生まれる。そんな背景が、静かに語られています。ジミーは有名になるにつれて、インディアナの家族が愛おしくなり、デニスも仕事や別れた妻子にうまくいかない。そんな二人の孤独な魂が、ジンジンと響いてきました。

2人が心を許しあったから、あの素晴らしいスティールの数々が生まれたんだな。そんなカメラマンと被写体の大切な関係が、丁寧に描かれています。それはアントン・コービン監督自身も、U2、デヴィッド・ボウイ、ローリング・ストーンズなど世界の大物ミュージシャンを撮影する写真家だから。デニスのスターたちとの親密な写真から、その被写体との関係に興味をもったのが、この企画のきっかけらしい。写真家監督のス写真の積み重ねのような映像も、全編にわたって美しすぎでした。それだけでも、観る価値ありです。

アメイジング・スパイダーマン2でクセのあるハリーを演じたデイン・デハーンは、ジミーを見事に演じています。はにかむように口ごもりした口調は、等身大のジミーはこんな感じだったんだろうなぁと、嬉しくなります。ほぼ主役なデニス役のロバート・パティンソンも、トワイライトシリーズで有名な名優。彼に感情移入して、ふたりの苦悩に胸が熱くなります。

なにもかもが純粋だった1955年が羨ましくなる、切なくて爽やかな映画でした。

そして私事ですが...
今作で2015年劇場100本目を、無事達成(笑)会社員と映画ファンの両立は大変だったけど、目標達成できて嬉しいです。