アラサーちゃん

ディーン、君がいた瞬間のアラサーちゃんのレビュー・感想・評価

ディーン、君がいた瞬間(2015年製作の映画)
3.5
カメラマンのデニスは、とあるパーティでジェームス・ディーン(ジミー)という若い俳優と出会う。商業的な写真を撮っている現状を打破したいと感じていたデニスは、無名でありながら魅力的なジミーに興味を引かれ、彼のフォトエッセイをライフ誌に掲載するため、LA、NY、彼の故郷であるインディアナへとともに旅をする。2015年、米。

ジェームス・ディーン好きな人にはたまらなくいいんだろうけど、興味なかったらたぶん何も面白くないよねっていう作品。
わたしは結構楽しんだし、ストーリー抜きにして映画自体の雰囲気も好きだけど、あまり評価高くないのは納得でした。

ベースがもう「ジェームス・ディーンの生涯なんてわかってるよね?」っていう予習ありきだったので。24歳で亡くなったのは知っていても、ピア・アンジェリと付き合っていたとか、どうして別れたとか、興味ない人にはあまり馴染みがないよね。
私もなんとなくジェームス・ディーンに関するアレコレはぼんやり知識として蓄えていたつもりだけれど、ちゃんとした時系列ってぼやぼやしてたのでナルホドって感じでした。

亡くなるシーンはまったく描かれていないし、ただ、モラトリアムから抜け出せないままの青年どうしの静かな心のぶつかり合いのお話なんだけど、なんかこう、ぎゅっと胸が締め付けられる。
ジェームス・ディーンってそういう空気をまとってる人なんだろうな。存命でなくても。なんという負のカリスマ性なのか。

彼はこの映画で過去ばかりを振り返る。敢えて未来を見せない監督の意向なのかもしれないけれど、唯一、彼の不幸な未来を匂わせるラストのジミーとデニスのシーン。
ジミーは下にいて、デニスは2階の窓から彼を見下ろしている。プレミアなんてぶっちしよう!と手を広げるジミーに、自分の殻を破ったデニスは言葉少なにそれを断る。彼はタクシーに乗って消えていく。

デイン・デハーンは出てきた時に「おお!ジェームス・ディーンに似てるやんけ!」って、仕草とか、口調とか。でも後半になるともうデイン・デハーン。ただただデイン・デハーン。笑

個人的にはエリア・カザンの名作がセリフの中で何度も登場してきたのがわくわく。
最近「ララランド」で「理由なき反抗」のジェームス・ディーン観たけど、「エデンの東」観たくなった。DVDあるけど、持っていたら安心してあまり観ることない。