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ザ・ワン・アイ・ラブのGreenTのレビュー・感想・評価

ザ・ワン・アイ・ラブ(2014年製作の映画)
2.0
「せっかくの刺激的な設定を生かしきれていないが、キャストの好演に支えられ、愛/結婚に対する鋭い解釈を提示している」という好意的な評価と、「場面場面はなめらかに進む映画だが、恐ろしいくらい同じシーンとセリフの繰り返しと、美しいのだが閉塞感のあるセッティングで観るのは一苦労」というネガティブな評価と両方ある作品です。

イーサン(マーク・デュープラス)とソフィー(エリザベス・モス)は、壊れかけた結婚生活を立て直そうと結婚セラピーに通っている。セラピスト(テッド・ダンソン)は2人の心が通っていないことを指摘し、人里離れたカップル・リトリートで週末を過ごすことを提案する。

上手く行ってないカップルが2人きりで過ごすことになると、そりゃ〜色々期待しますわな。いいまままでの不満をぶちまけあって殺し合い、とか、片方がサイコと化してもう片方を殺そうとする、とか・・・

イーサンとソフィーは、自分たちにソックリなカップルを見つける。自分たちが借りている母屋から歩いていけるゲストハウスに行くといるのだが、男女一緒には出てこない。ソフィーが行くと、イーサンのそっくりさんが出てきてイーサンであるかのごとく振る舞うし、イーサンが行くとソフィーのそっくりさんが出てくる。

なんなんだ、これ?ってのを解明しようと、イーサンとソフィーは交互にゲストハウスに行っては話し合い、ってのが続くので、これが「恐ろしいくらい同じシーンとセリフの繰り返し」って言われるところなんだろうなと思いました。

私は寝落ちしてしまって「おっといけねえ」ってまた巻き戻して観るんだけど、「あれ?このシーン観たっけ?観なかったっけ?」ってわからなかったくらいなので、ネガティブ評価の人たちの「恐ろしいくらい同じシーンとセリフの繰り返し」って気分が分かるな〜と思いました。

面白いのは、ソフィーはイーサンのそっくりさんにだんだん惹かれていくんですよね。顔もなにもかも同じなんだけど、ちょっと髪型がオシャレ(ソフィーは “beachy” ビーチっぽい、という)だったり、腹筋をしていたり、絵を描いていたり、聞きたいことを言ってくれたりする「理想のイーサン」。

イーサンは、ソフィーのそっくりさんがベーコンを食べさせてくれるのが嬉しい。ヘルシー志向の奥さんに食事制限されてガッカリしている旦那さんって多いですもんね。だけどイーサンの方は、ソフィーが自分のそっくりさんを褒めるのがイヤだし、自分もそっくりさんではなく本物のソフィーの方が好き。

ポジティブ評価の人たちは、「見た目が同じなのに、なぜそっくりさんに惹かれるか?それは自分に都合のいい相手を選ぶからだ」のような、恋愛や結婚に対する洞察が面白い、って言っているのではないかと思います。

ワタシ的には、「このそっくりさんたちは、実在するの?それとも、イーサンとソフィーの幻想なの?なんなんだ?」って気になったけど、恋愛や結婚に対する洞察ってほどのことはないなあと思いました。

エリザベス・モスの出ている映画って、雰囲気だけでプロット雑なものが多いので、この映画も「雑だなあ〜」とか思いながら観てました。

マーク・デュープラスは『パドルトン』は良かったけど、他はほとんど印象に残っていないし、この役も特にどってことなかったです。

でもこの映画はこの2人しか出てきません、基本。そっくりさんも二役で演じています。

あとはネタバレになるので、コメント欄で!
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