ちろる

人生は小説よりも奇なりのちろるのレビュー・感想・評価

人生は小説よりも奇なり(2014年製作の映画)
3.7
幸せの絶頂の後になぜか平穏で安心しきっていた日々が崩れていく。
様々な事情で39年寄り添ったパートナーと熟年結婚したのに、なにがそうさせたのか。

愛が溢れてるのに、老年期に残りの愛を育みたいだけなのに、世間はそれを許さなくて非常に切ない。
想像してた様なあからさまな差別の描写もなくて、ジョージたちを追い込むのも悪意なんかどこにもなくて、優しさのレベルはちゃんと溢れてるのに、人間だもの、、、仕方ないよねという描き方だからこそなんだか無性に虚しくなってしまうのだ。

愛があればなんでもできるなんて、人生はそんな生半可なものじゃない。
歳をとったゲイカップルを描きながらも、仕事、お金、家族、老後などの不安やストレスなどみんながなんとなく見て見ぬフリをする現実に目を向けてそれでも自分らしさをみいだして生きていく人間の姿という観点で描いていたのは良かった。

邦題はどうかと思うけど、マラドーナみたいなジョージがなんかとてもいい感じなので目を瞑ろうと思う。
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