POV形式のパニックトレジャーハント映画。
観たままの感想を。
タイトルから怪物に追われる映画を想像するが、物語は『インディージョーンズ』ばりに、パリの地下墓地に秘宝を探しにいく話になっている。
父親の死から、取り憑かれたように「賢者の石」を追う女性トレジャーハンターが主人公だが、なかなかイカれてる。
友達を見殺しにして留置場に置き去りにしたり、墓地に引っ張っていったり。
後半の怒涛の展開も、彼女が主人公ならではの疾走感で、意外な結末を迎える。
しかし、タイトルにある怪人はほとんど出てこない。
邦題の付け方がおかしいためだ。
原題を訳すと、作中の大事なシーンでもある、『上にあるものは下にもある』となるらしいが、原題のままでは、観客も呼び込めないだろうから、妙な邦題も仕方ない。
モンスター映画を期待した人は残念と思うしかない。
絶望的な状況下での謎解きや、地下墓地からの脱出などは緊張感があって良かったが、主人公以外の登場人物の掘り下げが浅く、ピアノや燃え盛る車など、彼らのトラウマ要因が突然舞台装置として表れるのには困惑した。
テンポは良かったが、そこまで嵌まれなかった。