歩くチブ

コングレス未来学会議の歩くチブのレビュー・感想・評価

コングレス未来学会議(2013年製作の映画)
4.3
リアリティーとファンタジーのえげつない融合。なかなかのトリップムービー。

最初はごく真面目なヒューマンドラマで、カイトと空と変わった家の組み合わせがお洒落だななんて思ってたら、途中から急にアニメシーンに突入。ここで実写映画の概念が吹っ飛ぶ。

どこまでが現実でどこからが幻想なのか、観てる最中はわけがわからない。さっきまで人だったのが人じゃなくなり、道が道じゃなくなる。
人間は今までの経験を元にして思考する生き物だと改めて気付かされる。

頭の中で一つ一つ整理しながら何が何?誰が誰?ってな感じで理解しようとするが、最終的には思考停止。わけのわからないものに直面したときは考えるより感じるべきだと考える。考えてる時点で思考停止してない。生きてる限り人間が思考停止することはないのだと改めて気付かされる。

これはきっと彼女の夢の中なのだろう、だからどうしたって説明がつかないんだと自分を納得させた。納得しようとしてる時点で納得してないことに改めて気付かされる。

しかし、最後まで観れば意味のわからないアニメシーンが繋がり、一種の心地よさを覚える。この映画の本質がそこにあるような気がする。これは残るぞ。忘れられないぞ。

実在の女優ロビンライトが本人役として出てるところが余計にリアル。

現実からは逃げられない。
どれだけ逃げても朝が来る。
だけど、朝をどう迎えるかは選べる。
答えは決まっているとしても。

湯浅監督のマインド・ゲームは幽体離脱でロバートゼメキスのコンタクトは異星、リチャードリンクレイターのウェイキングライフが夢、コングレス未来学会議はドラッグ、幻想、性、その他ごちゃごちゃ
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