パレスチナ自治区ベツレヘムを舞台にした、モサドとイスラム過激派の狭間で生きるパレスチナ少年の葛藤を通じた憎しみの悪循環を見たことのないアングルで見ました。
ただひたすらに怒りが多くの人を包み、さまざまな強行が日常化しているパレスチナ。アジアとは比べものにならないほどの長いせめぎ合いの歴史がベースになっているので、この勝者なき対立は未来永劫続くように見えてしまいます。悲しむことがナイーブに思えます。
少年だって例外ではなく、当たり前のように戦いに巻き込まれていきました。映画が終わって、そしてまた新たな報復が始まるだけなのでしょう。心が虚ろになり、強行、凶行に鈍感になってしまいかける自分がいました。
脱出口はあるはず。しかし、宗教の発祥の地であるがゆえ、地球の交差点であるがゆえ、近くにオイルのある地であるがゆえ、大国たちに翻弄されすぎてしまったのかもしれません。世界で一番悲しいエリアのひとつです。