第一次世界期にオスマントルコで行われたアルメニア人迫害「死の行進」
実際は、おそらくもっと残酷だったんでしょうね…
知ってはいましたが、映像で観ると胸がしめつけられました。
そんな迫害の中、最愛の妻と双子の娘を残し強制連行されるナザレット。
命と引き換えに声を失った彼は、助けてくれた恩人のもとで暮らすのですが…
ある夜、広場で町の人達とある映画を観るナザレット。
ここは最も印象的なシーンでした。
みんなで笑ったり泣いたり。
ナザレットの胸に湧き上がる別れた家族への思い。
ここから、家族を探し求めるロードムービーになっていきます。
前半部分は、まるで「沈黙」を思わせるようでした。
善き人間であるうとしたキリスト教徒であるアルメニア人に降りかかるあまりにも過酷な迫害。
何故、神は救ってくれないのか?
だからこそ、彼にとって家族こそが希望であり救いになっていく。
もう敬虔なクリスチャンだったナザレットはそこにはいない。
ひたすらに家族を追い求める。
そして、彼の良心が示されたときに見えた新たな光。
ラストは、もう…そりゃね…
ちょっと展開が都合良く感じるところもありますが、私は満足な作品でした。
家族こそが一番大切。
宗教とは縁の薄い日本人には響く作品だと思います。