小さな悲喜劇を描いた、コメディー映画。
『散歩する惑星』と続けて見たのですが、フィックスのカメラ・薄い色調のセット・白塗りのメイク・抑揚のないオフビートな小話といった、基本的な作りは変わらず。
違うのは、デジタルカメラに移行した事で画面が綺麗になった事と、音楽が明るい曲調になった事ぐらいでしょうか。
これによって『散歩する惑星』よりも、見易くなった様に思います。
クスクスとする様なユーモアは相変わらず面白いし、どこか現実離れしたシュールな世界観も興味深い。
ただ、あまりにも長く間を取ったり、会話や動作のテンポがゆっくりしているので、かなり眠気に襲われてしまうのが玉に瑕な部分。
睡眠導入動画的な側面があるので、疲れてる日に見るのは危険かもしれません。
2作続けて見る事で、ロイ・アンダーソン監督のブレない作家性というものを感じましたし、とても万人受けはしなさそうな作風からも、改めて孤高の映画作家としての立ち位置を再確認させられました。