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さよなら、人類のchiyoのレビュー・感想・評価

さよなら、人類(2014年製作の映画)
3.5
2015/9/2
リビング・トリロジー3部作の最終章。固定されたカメラで映し出される世界は、しっかりと計算され尽くした奥行きのある構図で、全てのシーンがまるで絵画のよう。そして、無表情なキャラクターたちが織り成す悲喜交々は、シュールかつナンセンス、でもとってもコミカル。中でも、サムとヨナタンのコンビによるジョークグッズのセールス、現代のバーに立ち寄るスウェーデン国王率いる18世紀の騎馬軍がお気に入り。特に後者は、あまりの突拍子のなさに唖然とはするけれど、バーの中で鳴り響くパカパカという蹄の音が無性に可笑しく思えてくる。また、冒頭で見せられる三つの死も思わずクスリと笑ってしまうものばかりで、さらに電話で話す人の皆が「元気そうで何より」の繰り返しなのも面白い。性格が正反対で衝突が絶えないサムとヨナタンだけれど、やっぱり大切な友達で仲直りする姿が微笑ましい限り。ホッコリ。
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