みきちゃ

ドリーム ホーム 99%を操る男たちのみきちゃのレビュー・感想・評価

4.6
アンドリュー・ガーフィールドとマイケル・シャノンがすばらしき。二人が魅せてくれた特殊な関係。

リーマンショックに関連した、映画『マネーショート』の後に一般米国民を襲った出来事が分かり、そして映画『フロリダプロジェクト』の背後にある政治・経済も見えてくる、実話ベースのお話。

2010年。サブプライムローンで購入した家の家賃が払えなくなって、モーテルに駆け込み、隠れホームレスコミュニティが出来上がっている米国。怖かったよー、怖かった。。。

エイブラハム・リンカーンの演説をパロって米国の現実を語るシャノン。日本の格差はもっと巧妙で見えにくくなっているとは言え似たようなもの。ギリシャとか、他にもたくさんこんな国があると思う。

マネーショートで一番やだったのは格付け会社。今作では法廷が一番やだった。リーマンショック後はこんなケースがうん万と続いてたことにより、実際にこんな裁判模様だったらしくて、まじで悲惨。あまりの事実にどんな顔していいのかわからない。

システムに隙間が見つかれば、そこに新手のお仕事が生まれてしまうわけで、それがどんなお仕事であれ、問題の本質は隙間自体には無い。でも、表に出させられるのは隙間にいる人々だから、顔を付き合わせると罵詈雑言を浴びせてしまう。その空しさ…。

マイケル・シャノンすごかったな…。本作のゴールデングローブ賞ノミネート+他の映画賞での12授賞そして23ノミネートはほぼ助演男優のシャノンへのもの。圧巻の演技だった。彼のお仕事論とその語り口は説得力の塊で、あんなのを師匠に持ったら感化されるのは当然の流れ。変化していくアンドリュー・ガーフィールドの苦悩に満ちた演技も抜群だった。二人の共演に乾杯!
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