なんでこんな映画観るのー?って家族から非難轟々でしたが、かなりの良作でした。
息子が生まれて、息子の口にするものや環境に敏感になっていく主人公のミナの様子は怖いし、やりすぎだし、そもそも妊娠中の過ごし方からして私とは全然違ったけど、でも気持ちはかなり分かっちゃった。
自分の子供に対して、最善の方法で育てたいと思う一方で、最善の方法って一体なんなのかはっきりしないのが子育て。本なのか、医者なのか、先輩ママなのか、情報集めて何かを信じて自分のやり方を貫くしかないんだよね。
ヴェネツィア国際映画祭で最優秀男優賞と最優秀女優賞 を受賞したという主演の2人がとても良いです。
ミア役のアルバ・ロルヴァルケルは徐々に狂っていくのに息子を見るときは本当に愛しそうだし、ジュード役のアダム・ドライヴァーは必死で息子を守ろうとしながらも妻を愛していることがよく伝わってくるのでつらい。
この2人があまりに自然なことに加えて、やや引き気味の画作りもあり、2人の生活を覗き見ているような気分になった。
赤ちゃんのことをthe babyと呼びまくってるのが悲しかった。ジュードもミナもおばあちゃんもみんなこの子のために必死になってるのに。
愛ゆえに最悪の事態になったラストは衝撃的というより、あーこれでやっと終わった‥とちょっと肩の力が抜ける感じでした。
本国版ポスターなのかな、すごくすごく良い。日本版と比べ物にならないくらい。
日本版の、ジュードが息子を抱きしめて、ミナを狂った悪者のようにして、サスペンス要素で打ち出したポスターは全く本質をついてない。
ミナが息子を抱きしめて佇む、その後ろで見守るようにジュードが立っている、本国版ポスターがこの作品の全てを物語っていると思う!