marie

ハングリー・ハーツのmarieのレビュー・感想・評価

ハングリー・ハーツ(2014年製作の映画)
3.8
初見

とても重く苦しいテーマと、(私にとっては)救いのない結末に、しばらく閉口してしまった。

私も子供がお腹から出てくるまでは、世界の様々な「害悪」からこの子を守らなくちゃ、なんて思っていた。そこらじゅう除菌したし、空気清浄機も買ったし、2歳になるまではテレビを絶対に見せないとか、砂糖はきび砂糖じゃなきゃだめとか、化学調味料は一切使わないとか考えた。今となってはどれもこれも忘却の彼方ですが。
だからミナの気持ちが分かるとは言えないけど、100%否定もできない自分がいて、戸惑ってしまった。こんなのは間違っていると強く否定できれば良かったのに。

1つだけ確かなのは、この妊娠の背後にはジュードの支配的な思惑があったという事。彼はミナを自分に引き留めておくために、意図的に避妊しなかった。予定外の妊娠にミナは動揺し、不安を抱えていた。そして孤独の中で少しずつ追い詰められて行った。
この孤独感は、分かる気がした。子供をお腹に身籠っているときの孤独感、とゆーか、ふたりきり感。最後には自分とこの子しか居ないのだ、というよくわからない感覚は、子供が無事に生まれてある程度育った今でも、ふと感じる事がある。
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