ベルサイユ製麺

ブロークン 過去に囚われた男のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

3.5
世間がシン・ゴジーラを見ていた時、自分は一人アル・パチーノを観ていました。暗い部屋で。
まあ特にアル・パチーノに思い入れは無くて、よくデ・ニーロと混同するくらいです。

ああ、もうよく分からなくて、無力感に苛まれます。偏屈な爺様がウロウロぶつぶつ辛そうな約100分間。印象的なシークエンスやアンビエント的に流れ続ける音楽を駆使して、たしかに感情を揺るがしはするのだけれど、それがどんな気持ちなのか・前向きな物語なのかさえ判然としないのです…。メモ片手に逐一読み解けば或いは、とも思うのですが、不思議と物語に理解を拒絶されている様な感覚もあったり。
『言葉に出来ないなんて最高に映画的じゃないか!』って割り切ってもいいのですがね…。アル爺位の歳になれば理解出来る、かな?
ハーモニー・コリンが役者として出ていて(実はそれで観てみようと思った)、そう思えば、コリンとかラリー・クラークとか、あとちょっとだけスパイク・リーとかにも近い感じがあるかもしれません。その辺りが好みの方は是非ご鑑賞頂いて、一緒にモヤモヤしましょう。
星3つとも4つとも(2つとも5つとも)思えて、中間の3.5にしました。好きです。