あやつり糸の世界の作品情報・感想・評価

あやつり糸の世界1973年製作の映画)

Welt am Draht

上映日:2016年03月05日

製作国:

上映時間:212分

4.0

あらすじ

「あやつり糸の世界」に投稿された感想・評価

Bitdemonz

Bitdemonzの感想・評価

4.0
もしかしたらリマスター(?)に伴い恐らくだが字幕も現代でも解りやすく置換えられているのだと思うが、1960年代に作られた作品とは思えない優れた設定も飲み込みやすかった。

今でこそ、そこまで意外性は少ない展開かもしれないが、設定に則した無理のない未来描写(という体裁)、執拗に鏡を使った虚像を意識させるような演出の数々、登場人物らの異様な佇まいなどが素晴らしいのと併せて、この作品が作られた背景も含めて非常に興味深い。

「キャラクターの振り向き様にカメラが寄る」というカットはどうしても笑ってしまう、登場人物の名前と顔がなかなか把握出来ない(自分が悪いのかもだけど)など個人的に気になるポイントもあったが、さほど問題ではなかった。
面白かったけれど「ファスビンダーがSF映画を撮ったら」と言われて素直に想像できるようなものだった。あまり驚きはなかった。要はマトリックスだからね
2019年278作目

めちゃくちゃ長いけど面白い。

3時間半、意外とすぐに過ぎました。
今日のSF傑作達に大きく寄与したというのも頷けます。
演出はSFものにしては地味目ですが、
かなり凝った演出をしているので、
そこに着目するともっと楽しめます。

登場する女性キャストが、
軒並みSFチックだったのはわざとだろうか。(笑)
コディ

コディの感想・評価

4.4
マァァァァジでカッコいいんだがこの映画。映画撮るのがうますぎるだろ。
キューブリックとはまた違うんだけど通底するものがある。
異常に提示される鏡に反射する無機質な物や顔や思弁的な話。よう流れるクラシック、必死こいてる話の時のシューマンが特に残る。子どもの情景。
そんな要素では静謐なはずの映像がグワングワンのカメラとピロピロの電子音、効果音の緩急でキューブリックと違う形でバキバキに痺れるものになっている。
笑っちゃうほどダサダサのはずのギュバッと顔面ズームインさえバチクソかっこいい。私的に白眉は警告メッセージのシーン。たまんねえよあれ。

ストーリーはよくこんな時代にというべきなのか、むしろこの頃こそその黎明期だったんじゃねえか。まあ生まれてないのでわからんが。少なくとも現在の自分にはこれの根幹のテーマを材料に何か思弁したくなる哲学は正直ないしな。ああ、そういうのあるよね。ぐらい。まあ興味の問題だけどね。まあ、もしこうだったらって話ではあながちないよねーん。上位存在が人の上位互換である必要性ないからな。上位存在は君の周りの君以外の全てや。この映画の原作は構造主義の台頭の前かしら?哲学史知らんのでわかりませーん。
あとシミュラクロンは今のデータって視点からは離れてる気もするしな。
しかしまあとにかく、当時の真っ当な想像が綺麗に開花してて素敵だった。もっと抽象的な運びの方が好みだけど物語としては別にこれでいいよね。

あー、所謂神である女を抱くことのエロスとかはちょっと考えたくなったな。それもストーリー上変容するわけで。そういう方向の思弁の喚起はありますた。以上っすウィーッス。
メロドラマ、室内劇、サスペンス、ホモビデオなど色々観てきたが、ファスビンダーはSFも撮っていた。

全体的に低熱量、だがしかし大袈裟なほどに回るカメラ、シンセサウンド、そして胸熱なラスト。

知れば知るほど分からなくなるファスビンダーの世界、とっさに出る言葉は「かっこいい」「おしゃれ」以外にないが、それだけで十分な気もしている。

激エロの秘書がいちばんSF度高くて笑った
ところどころ主人公がヘンテコで、ツボにはまってしまった
そして、なぜあんなに鋭いm字なの
撮り方かっこよすぎ
先鋭的すぎるストーリー
衛兵

衛兵の感想・評価

4.0
U-NEXTで観られるようになっていたので鑑賞。

作歴唯一のSFでクラウス・レーヴィチュが動き回り、珍しくアクション性も高い。舞台も特撮はなくパリの建造物を利用した『アルファヴィル』式(?)で味がある。模造の世界はマレーネ・ディートリヒの「The Boys In The Backroom」を歌う歌手や謎モブが多く怪しい魅力。酒場でも「リリー・マルレーン」を歌うそっくりさんが出てファスビンダーらしい。ミステリアスなヒロインと巨乳秘書も良い。

世界1はより良い未来を選択する為のシミュレーション・モデルとして世界2を(また世界3を作る事で疑いを持たせないように)作っているのだが、単純な上位/下位世界ではない。世界1は世界2のデータを集積し意思決定をしていくので、あやつっているようであやつられているという関係性になっておりファスビンダーらしくSFをやってもSMになっている(これが言いたかっただけ)。同設定の『13F』(1999)の総指揮にはカメラのミヒャエル・バルハウスが任命されているのでそちらも観てみたい。

ファスビンダーはテレビと映画は作り分けているとの事で、演出などは分かりやすい。しかし(脚本のフリッツ・ミュラー=シェルツの力も大きいと思うが)これだけのものを作って数回テレビ放映しただけで、ほぼほったらかしにされていたというのもすごい。同時期の『エフィ・ブリースト』『マルタ』『八時間は一日にあらず』も観たいのでソフト化を望む。

(メモ)
原作のダニエル・F・ガロイの『模造世界』が1963年で、ディックの『追憶売ります』(『トータル・リコール』原作)が1966年なのでこちらの方が早い。
monaminami

monaminamiの感想・評価

5.0
約半世紀前に撮られたというのに今みても未来感ビシッとキマッてるところがたまげる。鏡の使い方もいちいち洒落てるし、音楽の選曲もセンス抜群で完璧すぎるー!
otom

otomの感想・評価

5.0
バウハウスげなあれこれと仮想現実と鏡の組み合わせ、ウォルター・カルロスばりのシンセサウンドで雰囲気抜群。アイデアだけでこれだけ奥行きを出すってのは天才かよ。トリスタンとイゾルデからフリートウッド・マックまで選曲もイケてる。すんごいシミュラクラ。
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