「今日、タリバンを6人殺した。夜はバーベキュー」
異様に思える返答が今の彼の生活だった。
朝、高速道路を運転し基地のコンテナ“戦地”へ向かう空軍パイロットのトミー。
1万キロ以上も離れた標的をモニターで確認しながら爆撃し、成果を報告する。
コンテナの中で行われる“作業”のような任務は爆撃の衝撃も音も感じられない。
任務が終われば家族の住む家へと車を走らせる。
戦地から還った兵士がPTSDで苦しむ姿は『アメリカン・スナイパー』や『マイ・ブラザー』でも描かれているが、戦地と家庭を毎日往復する苦しさも相当なものだろう。
薄暗い中、淡々と行われる任務と終始思い詰めたようなトミーの表情が重苦しい。