原題『Good Kill』
劇中で「グッドキル」は野球でいう「ナイバッチ」ゴルフでいう「ナイッショー」のように使われている。勿論撃つのはボールじゃなくて人間だ。
あらすじは邦題の通りドローンを使って遠隔操作でテロリストを攻撃する部隊のお話。
遠隔操作であるが故に自らが安全地帯にいることに負い目を感じるトミー（イーサン・ホーク）。“上”からの指示で民間人をも爆撃し、逆に攻撃対象に入っていないレイプ犯を見逃さなくてはならない毎日に病んでいく。
この映画の白眉はやはりラストだと思う。
え？え？それを選択してしまうの？
というラスト。
いきなり遥か遠くのフィクションの世界に飛んで行ってしまった感覚。
「Good Kill」が存在するかのような錯覚。
なんだか「善し」なようで、やっぱり投げかけてくれているラスト。
トミーは本当にゲーム感覚の“神の視点”を持ってなかったのか？
そして安全地帯にいる戦争映画を、トリガーすらない安全な部屋で観ている私は？
少なくとも私はトミーの選択を「浅はか」の一言で切り捨てたくないし、同時に「Good Kill」と声を掛けることもしたくない。
