サトタカ

ドローン・オブ・ウォーのサトタカのレビュー・感想・評価

ドローン・オブ・ウォー(2014年製作の映画)
2.2
イーサン•ホークは好きな役者さんなんだけど(リンクレイター監督のビフォアシリーズとかガタカとか6歳の僕が大人になるまでとか)、地味な映画でした。

基地がラスベガスという現代のソドムとゴモラというか富とスリルを求める人間の醜悪さをひとっところに集めたような場所なのは暗示的でよい。きれーな奥さんもベガスでダンサーやってたみたいだし。

イーサン演じる空軍のトミー少佐は、実際にF16でバトルしていた戦闘機乗りだが、オバマの対テロ戦争のもと、エアコンの効いたラスベガス郊外の基地内のコンテナでテレビゲームのような機械を相手にドローンを操縦し、ピンポイント爆撃を繰り返していた。本人はまた戦闘機に乗りたいと上司に頼んだりするが、このご時世、そんなわがままが通るはずもなく、メンタルが削れていく。(またリアルな戦闘機に乗って、恐怖を感じながら敵を殺したいってことなんだよね…リベラルなイーサン本人とは180度キャラが違うw)ストレスからアル中もよくならず、暴力的になり、またCIAからの依頼(アルカイダ極秘作戦)などもあり思うように家に帰って子育てを手伝ったり奥さんの機嫌を取ることもできず、奥さんと子供は家を出て行ってしまう。

新たに配属された女性操縦士とちょっといい感じになるが、そこまで。ただこの女性、ゾーイ•クラヴィッツって、ロック•シンガーのレニー•クラヴィッツと女優のリサ•ボネットの娘なのね。小柄なのが個人的に(超どうでもいい)残念ですが、魅力的な女優さんでしたわ。

舞台がラスベガスということもあって全体の絵面のトーンが明るくて、トミー少佐の苦悩とあまりあってない気もした。そこは狙ってたのかもしれないけど。あえての明るさ…。

自分は安全で家から近い快適な職場にいて、反撃の恐怖を一切感じず、神の視点から敵と思われる相手に罰を与えられる(爆撃できる)アメリカの傲慢さを描いてるんだろうけど、淡々としすぎだったかなー。

トーキング•ヘッズのワンスインナライフタイムでも挿入歌にしてくれてたら、もっと評価するんだけどなw
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