モーリージュン

わたしに会うまでの1600キロのモーリージュンのレビュー・感想・評価

3.6
牧歌的なロードムービーかな思ってたけど、いやあこんなにハードコアとは……。過去のトラウマを引きずり、自分の弱った内面と決別していく女の子の内省にフォーカスした物語。

自分を見つめ直す旅……みたいな語り口じゃなく、主人公シェリルが内包している社会(保守)への反骨心、ジェンダーへの懐疑心、それがマグマのように噴き出しそうなものを必死にこの1600キロの一人旅で抑えているという見方もできる。後半につれて作品のトーンが観念的になっていくのが印象的。

ぶっちゃけロードムービー的な旅情とかないし、サバイバル的な緊迫もない。強く残るのは性の匂い。旅先でシェリルが会う男達が何かしら性欲に飢えてそうで、それを避けるか受け止めるか、その主人公の逡巡と過去の経験とのクロスオーバーが齎す情感がエロい……。

見所といえばリース・ウィザースプーンの脱ぎっぷりですよね。溌剌としたおっぱいボヨーンじゃなく、いろんな男に揉まれて苦労したんだろうな……っていう作品にトーンに寄せた鈍重なおっぱい。あの情緒はなかなか生み出せない(何言ってんだ俺)