わたしに会うまでの1600キロの作品情報・感想・評価

「わたしに会うまでの1600キロ」に投稿された感想・評価

honami

honamiの感想・評価

4.0
破れかぶれになってからがスタート、ってのもありよね、と思わせてくれる。
女の一人旅中に起こる、自然的<<人為的な怖さが痛いほどわかって、観ながら何度も拳を握りしめた。
ラストの表情、痒いものがとれる。
生きていると自問自答したり、悩んだり、感情が揺れ動いたり、何かにはまったり、悩んで苦しむから、人生なんだと思う。何も起きなかったら、つまらん人生になって、あっという間に年月が過ぎてしまうと思う。

旅から何か見つけることが出来る映画です。大自然は疲れた人を癒してくれる。いい映画に出会えました。感謝
Kota

Kotaの感想・評価

3.6
“朝日と夕日は見ようと思えば毎日見られる。美しい物の中に身を置け。”

リースウィザースプーンが演じるシェリルストレイドが1600キロのパシフィッククレストトレイルという全米でも最高クラスのコースを3ヶ月かけて一人で歩いた実話を映画化したもの。ロードトリップ映画にはお決まりの一期一会の出会いはもちろん、旅を通じてシェリル自身の過去のトラウマや傷が癒えていく様がとても上手く表現されている。

リースがこの映画の撮影は最も過酷だったと語るように、実際にコースに入り、本当の重さが出るようにバックパックは約30キロ、ほぼ全シーン自然光のみで撮影された。リースウィザースプーンがアカデミー主演女優賞にノミネートされたのも納得。回想シーンのみに登場するローラダーンも助演女優賞にノミネート。演技派の女優さんは観ていて本当に飽きさせない。

1600キロの間に出会った様々な人々とのたわいもない会話が自伝になり、映画になり、今僕たちの目に触れている。この事実がもう凄いよね。自分だったら3日目でギブアップかな、いや2日目かな(笑)。
320

320の感想・評価

3.0
181202
パシフィック・クレスト・トレイル。
(PCT)
アメリカ=メキシコ国境からアメリカ=カナダ国境まで、アメリカ西海岸を南北に縦走する。全長4,000キロ。

誰かと一緒にいても、
歩いている時は、必ず自分と向き合う。
自分の感情にむきあう。
頭の中だけで考え、
途中で、頭の中を空っぽにされされるような風景に出会う。

彼女は、
1人でいても、
そばに在るものがあった。

自然のままに在るべきもの。
何者かになろうとしても、
他人と比べた自分がいるだけ。
その事に気付いた自分と、
こちら側で、気づきたい自分がいる。
ひたすら歩く
母の死により立ち止まった人生を、再び歩き始める。


人生ベストの『雨の日は会えない~』の監督、ジャン=マルク・ヴァレの作品。
テーマはやはり次作と似ており、“死による喪失と対峙すべき現実”。

最愛の母の死から止まってしまった自分の心。
セックスとドラッグに溺れ、夫とも離婚することになり、いつしか現実から目を背けた生き方を続けていた。
DVの父親から救ってくれた片親の母にどれほど依存して生きていたのだろう。


冒頭からすぐにわかるように、シェリルはいい加減なところや行き当たりばったりなところがある。
ずっと歩きっぱなしなわけではなく、車に乗せてもらったり、ご飯をご馳走になったりする。
詰め込みすぎたバックパックは、彼女が抱えている問題と同じ。
多すぎてどこから整理すればいいのかわからない。


自分探しの旅というのは、正直意味はないと思ってる。
だって本当の自分なんて永遠にわかるわけないから。
現実から目を背け続けることで、自分自身と向き合うことからも目を背け続ける。
何もかもを無理矢理にでも一段落させることで、少しずつでも自分の感情を受け止め、現実を受け止めていく。
まさにバックパックの中身を減らしていくように。

最愛の人の死というのは、残された者にすれば足枷になってしまうのかもしれない。
歳を重ねて子育てを終えた母は、自分と同じ大学で自分と同じように学び、乗馬をし、明るい性格で人生を謳歌していた。
自分は全てにおいて中途半端で、自分の人生を生きられていないのかもしれない。
自分へ望むハードルが高いがゆえに、理想通りにならない自分にイラついていた。
ついには自暴自棄に陥り、どうしようもない迷宮に迷い込んでしまう。


旅というのは特殊な空間というわけではなく、人生そのもの。
人生も結局は一人で歩き続けなければならない。
途中で誰かと出会い、語り合い、仲を深めることもある。
けどやはり旅の終わりはいつかきっと一人で迎えなければならない。
自分を見つめ直そう。
新たな人生を歩んでいこう。

彼女がPCTを歩くきっかけの動機付けは弱いけれど、彼女が過去と向き合うために必要なことであるように見えてならない。
大自然のなかに身をおくことで、自らを浄化し、完璧ではない自分を受け止め、過去を意義あるものへと変えていく。
ただ引っ越ししたり、人間関係をリセットするだけでは結局今の自分を変えることはできない。
生が危機に陥るような環境でなければ、再び弱音を吐き、中途半端に終わってしまうから。


『雨の日は会えない~』は比喩表現が非常に洗練されていたけど、本作でもやはり通ずる部分がある。

自分とは性別も立場も年齢も違う主人公だけど、誰もが陥る可能性のある心の中のモヤモヤ。
理想通りに生きることができない自分への苛立ち。
変わりたいけど変われない日常。
一人の女性の旅路をたどり、いかにして苦悩と向き合うのか。
苦しい現実をうまく乗り越えていくのか。
やり直したいと思える瞬間が大事で、未来のために歩みを進めていくという意識こそ、人生においてもっとも必要なことなのかもしれない。
Shiho

Shihoの感想・評価

3.4
足痛そう。
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