Akiyoshi

高慢と偏見とゾンビのAkiyoshiのレビュー・感想・評価

高慢と偏見とゾンビ(2016年製作の映画)
5.0
19世紀のイギリス女性作家「ジェイン・オースティン」。彼女が描いた恋愛小説の数々は、世界中で愛され続けている。その中でも最高傑作と呼ばれる恋愛小説の金字塔が「高慢と偏見」だ。日本でも夏目漱石が絶賛するなど、芸術作品として高い評価を持っている。そんな作品がキーラ・ナイトレイ主演で実写映画化された。「プライドと偏見」である。映画は大好評だった。私もDVDを購入するほど好きだ。
まさに原作と共に映画も不朽の名作となった。

それから何年か後……
まさかの「マッシュアップ小説」が誕生した。
しかもただのパロディーではない。
本気のパロディーだ。
奇才ティム・バートン監督作品の脚本をも手がけるアメリカ人作家セス・グレアム=スミスによるマッシュアップ小説は、瞬く間に200万部を記録。20以上の言語に翻訳されている。
そしてこの小説の大ファンを公言していたオスカー女優ナタリー・ポートマンが製作に乗り出し、映画化が実現した。マジかよナタリー・ポートマン。キャストでは主人公のエリザベス役をディズニー映画「シンデレラ」で主役に抜擢されたリリー・ジェームズ。ダーシー役を「マレフィセント」で頭角を現したサム・ライリーが演じた。その他にも若手イギリス人俳優を中心としたキャストが揃い踏み、最高のラブロマンス映画が誕生した。
その映画のタイトルとは!?

「高慢と偏見と……





ゾンビ」


ゾンビだあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!

舞台は噛まれると感染し、人の脳を喰うと完全にゾンビとなる疫病が蔓延した18世紀のイギリス。男女問わず、ゾンビと戦うために日本か中国で武術を取得するのが当たり前の時代。もうこの設定から最高。中国の少林寺で学んだべネット家の5人姉妹は武術の稽古に励んでいる!家の中で殴りあったりしている。もうこの時点で名作。ゾンビとの戦いの末にロンドンを囲む大壁を作る。お?ワールドウォーZでもこんなの観たぞ?ゾンビも似てね?と思っていたら、ワールドウォーZを手がけた特殊メイクの担当者がゾンビを創作してたのね。
そんなこんなの設定はあるものの名作である「プライドと偏見」をそのままなぞる感じで物語が進む。本当にそのまんま。ただね、
ゾンビがいるわけよゾンビがぁ!(歓喜)
エレガントなドレスは美しく、壮麗な屋敷と贅沢を尽くす貴族の舞踏会。すれ違い、プライド、そして偏見。さらにゾンビとのバトルシーンまでもが豪華絢爛!色んな意味でキュンとするときめきと壮大なアクションが今、融合する!愛と恋を知る全人類に贈る、最高のラブストーリーがここに誕生した!!!!

※本作品を鑑賞する前には「プライドと偏見」の鑑賞を強くオススメします。

とんでもなくおもしろかったんです。
実は私、本作品を観に行こうと何人かの友人に声をかけたものの……
8人に断られるという事態に……(泣)。
その方々の意見がこちら、

「DVDで良くない?」
「えっ……こんなの観たいの?(ドン引き)」
「ただのB級やん!!」
「やめとけって…絶対クソ映画だろ」

……………………。

めーーーーーーーちゃ!
おもろかったもんねー!!!!!!
後で映画館で観れば良かったとか言っても知らんからねー!!(泣)
ちょっとばかりの反発から評価を高くしてやろう!とかいうのも多少はありますが、とてもおもしろかったです。
運命の恋と死の危険に胸がキュンキュンしちゃいました。最高なんですよ。サム・ライリー演じるダーシーが日本刀でゾンビの頭切り落とすとこが一番キュンキュンしましたね。最高。ベラ・ヒースコートがめちゃくちゃかわいかったです。そんなキュートな人もナイフ片手にゾンビを瞬殺する。キュンキュンしましたね。最高♥

そもそも傑作である高慢と偏見になぜゾンビなんかを足すんだ?と思いました。でもゾンビを足した本作品を観ていると当たり前のようにゾンビが受け入れられて、しかも肝となるラブストーリーがより一層と目立つようになっていました。大胆にアレンジされたように見えた本作ですが実はロマンティックで、うっとりとする濃厚なラブストーリーという魅力も生きていました。こんな恋愛してみたいよ。飲み屋で語る一発ネタみたいな企画が傑作になったんです。古典+ゾンビという点でヴィジュアルはまず負けない。偏見や差別、階級がある社会でもゾンビは平等。これはまさに現代の象徴と言える。太ももにナイフを隠し持つ淑女たちに痺れ、愛を追及するラブストーリーに酔いしれる。オスカー女優ナタリー・ポートマンを夢中にさせた小説は、最高の映画となったと断言したい。

あっ、ラブストーリーが主軸ですがホラー要素やグロ要素もあります。ちゃんと怖いです(笑)。苦手な方は鑑賞をオススメできません……私もちょっとビビリました(笑)

最後に余談ですが、最近は女性を主人公にしたアクション大作が増えてきてますね。闘う女性は美しい。

現段階で年間ベストです。ぶっちぎりで。
Akiyoshi

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