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高慢と偏見とゾンビのchakoのレビュー・感想・評価

高慢と偏見とゾンビ(2016年製作の映画)
3.7
恋愛小説の金字塔と呼ばれるジェイン・オースティンの「高慢と偏見」のパロディ小説をナタリー・ポートマンのプロデュースで映画化したゾンビラブストーリー!
原作を読んだことはないのですが、原作の基になっている「高慢と偏見」は以前、「ジェイン・オースティンの読書会」を観てからオースティン作品にハマって読破したので、あの「高慢と偏見」にゾンビ要素がミックスってどういうこと?という興味とリリー・ジェームズ観たさで鑑賞。

18世紀イギリス、謎のウィルス感染によりゾンビ化が進む終末世界
ということで、時代的にも女性は男性に守られる身なのかと思いきや、あのベネット5人姉妹も男顔負けの逞しさでソンビと戦っています。

彼女たちが身につけるのは礼儀作法やいかに意中の男性の心を掴み求婚させるかだけではなく、ゾンビから自分の身を守る術。
舞踏会のためにドレスアップしても、ガーターベルトにはしっかりナイフを忍ばせ、戦うベネット姉妹が勇ましいこと。
紳士の前であっても、ゾンビの襲撃とあらば華麗に回し蹴りでゾンビを撃退!あのダーシー氏が戦うエリザベスを見て、彼女の鍛えぬかれた武術と筋肉に見惚れてしまうのが何だか面白い。

その武術というのが中国や日本といった東洋の武術で、高慢と偏見+ゾンビ+少林拳やカンフーアクションという意外すぎるコラボレーションやストーリーも原作に割りと忠実なので、そこでゾンビを登場させるのか!と新鮮でした。

主演のリリー・ジェームズは「シンデレラ」やドラマ「ダウントン・アビー」といい、こういった時代ものの衣装と馬に跨る姿がよく似合う。相手がダーシー氏であってもゾンビであっても凛とした表情で立ち向かう強さと、時折見せる屈託のない笑顔に見惚れてしまう。
しかしゾンビの侵略により世界の滅亡が迫っていても、見るからに惹かれ合っているのになかなか結ばれない辺りはオースティンらしい。プロポーズするダーシー氏を張り倒すエリザベスにもうくすくす。

そして相手役ダーシー氏にはサム・ライリー
最近では「フランス組曲」でちょっとワイルドな農夫を演じていましたけれど、ゾンビ探知機代わりに蝿を持ち歩き、漆黒のコートに身を包み戦うダーシー氏がかっこいいこと!

その他にもちょっとドジなビングリー氏にダグラス・ブース、コリンズ牧師には第二のカンバーバッチとの呼び名も高く、ドラマ「ドクターフー」でお馴染みのマット・スミスといった話題の英国俳優が集結!
ジャック・ヒューストンのラストシーンの表情もなかなかの衝撃度(笑)

ゾンビ映画としてはそれほどグロくもないので、ゾンビ映画が苦手な方でも楽しめるかと。戦う美女と英国俳優好きにもおすすめです!
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