ゆゆこ

キャロルのゆゆこのレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
3.6
冒頭から魅せられる洗練された映像美と音楽。美しい2人の女性。思わず陶酔させられる。
・・・
<ある人に会う。何故か分からない。だけど惹かれるものには惹かれるんだ。惹かれないものには惹かれない。理由なんてない。
必要ないんだ。>

何かわからない状態で、私たちは"それ"のズームカットに惹き込まれる。
模様に未知を感じてるからなのか、興味があるからなのか、美しいからなのか、ちゃんとは分からない。
しかしそれが全体像を見せた時、私たちは目を覚まさせられる。
「ああ、なんだ、"道路の排水溝"か」と。
しかしそれと同時に、棄て去りがたい魅力を感じもする。一度惹かれたものには、理由は知らずとも、魅力があるものだ。
それは遠巻きで外見しか見てない人には分からない、内なる本物の魅力。だからそれを「愛おしい」と思えもする。
単なる"排水溝"じゃない。それをわかってしまった時、私たちはそれに強く惹かれるのだと思う。
そして、人はその何かに目覚めて、変わる。

ぼやけたキャロルの顔に、ピントが合ってゆく。

人を撮ることを避けていたテレーズが、キャロルを撮った、何気ない瞬間。
それは、その魅力に惹かれた瞬間でもあったのだ。

見つめ合って、静かに違いを探り合うような、少しの間。
揺れるカメラワークが彼女たちの鼓動のよう。
一瞬の沈黙。
お互いに知っているはずなのに、初めて出会ったようなあの眼差しで、また魅力を知ってしまった、そんな瞬間。
それが愛だと分かった、その瞬間。

最高に美しいと思いました。

でも、ちょっとレズビアンを美化してるかなあと。うん。