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キャロルのsobayuのレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
5.0
傑作。ケイト・ブランシェットって画面で見るとちょっと顔が大きくて、そういうところも往年の大女優感を醸し出す理由なのかなと思うのですが、キャロルは本当に全てが素敵だった。テレーズが一目で惹かれるのよく分かる。

最初に赤色を身につけて現れるのはキャロルで、旅に出る時にはテレーズが赤いカーディガンを着てる、というふうに服の色からも伝わってくるものがあった。

彼女らの周りの男たちは本当にうざったいのだけど、彼氏や夫側から描いたら全く別の側面が見えるんだろう。夫のやったことは傍から見たら正当とすら思う。

アビーとのことは夫に出会う前に終わっていたと言うなら、過去キャロル自身が夫にその話をしたのだろうか。その時は夫のことを本当に愛して信頼していたから?でも結局それが弱みとなってしまう。愛とは難しいっすね。

キャロルとテレーズが惹かれ合うのがとても自然に映っていた。ふたりが楽しそうにドライブしているところで、ああもうこの映画のジャンル、コメディに変わってくれないかな~と思わず願ってしまうくらい。だってあまりにもすぐに壊されそうだから。他者が介入して来たらすぐにこの幸せは壊れてしまうように見えて辛かった。

山田洋次の小さいおうちを思い出したりした。
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