『パトリシア・ハイスミスに恋して』鑑賞前に、彼女の映画化された作品を見て予習。
パトリシア・ハイスミスが当時偽名で出版し話題になった同性愛を描いた小説を映画化した『キャロル』。公開以来、久しぶりに見たけど、美しかった〜。
妖しい魅力の貴婦人キャロル(ケイト・ブランシェット)と恋に落ちる若い女性テレーズ(ルーニー・マーラ)の物語。
まず感じたのは「ルーニー・マーラって、こんなに可愛かったっけ?」。1950年代のファッションに身を包んだ彼女はオードリー・ヘップバーンのよう! 撮影も凝っていて、雨に濡れたタクシーの窓越しに覗くルーニー・マーラの美しいこと! 惚れ惚れと見つめちゃいました。
また、ベッドシーンにも挑んだケイト・ブランシェットの妖艶な演技も、ゴールデン・グローブ賞では惜しくも受賞は逃したものの、主演女優賞にノミネートされたのも頷ける。
単に同性愛を扱っただけではなく、その性的嗜好故に離婚や子供の親権争いで不利な立場に追い込まれたり、当時の(今もそう変わってはないだろうが)LGBTQの人たちの置かれた立場もリアルに描かれる。
また恋愛映画であるにもかかわらず、ロマンスの中にサスペンス的なスリルもあり、ハイスミスの作品らしい。
1950年代のファッションは一回りして今の最新流行のよう。登場人物たちのそれぞれの衣装がかっこいい! 美術も、音楽も、全てがパーフェクト。2大女優の美しき共演はどこまでも美しい。
パトリシア・ハイスミスの作品は、ラストシーンの余韻がことごとく素晴らしい。