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キャロルのKtkTのレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
4.1
淡々としているように見えるのに、きちんとその内側で渦巻く感情も感じ取れる。テレーズがキャロルに出会うことで人として変化していく様子が丁寧に描かれていて、人間としては良い方向に成長してるのに人生は崩壊へと向かうそのギャップに何とも言えない切なさがある。また、ストーリーには映画じみた極端な展開もなく、淡々と物事が進んで行くが、その中で登場人物の感情が高ぶる瞬間、そのギャップに鳥肌がたった。特にラストはもう最高で、台詞は一切ない中、2人の視線があった一瞬が何秒にも引き伸ばされていて、次に何が起こるのかとワクワクしたところで終わるのが何とももどかしいが、またそれが格好いい。唯一気になったのが画面のノイズ。古い世界観をだすためかとも思ったがそれを考慮しても綺麗な映像で魅せて欲しい作品だった。あと劇中多く見られる車窓の演出は好き。結構オシャレに使われてた。
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