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キャロルのkazzのレビュー・感想・評価

キャロル(2015年製作の映画)
5.0
咀嚼に時間が必要ないい映画。

其処彼処にちらつく「社会」と「個人」の間にある軋轢や歪みで、終始緊張感を感じた。

果たしてそれはもう、ないといえる社会なのか。答えはきっぱりとNO。いまだにガラスの天井で、同調圧力は増す一方。そんな社会だからこそ、「キャロル」の存在は救いで意義がある。

この映画は3割しかちゃんと描いていない。すべてのカットといっていいほどに、画作りの中にノンバーバルな表現を詰め込みまくっていた。想像することで完成する豊かな映画に久々にお目にかかれて幸福だった。
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